講義:肥料としての海藻をオーガニック農場へ|立命館アジア太平洋大学

イベントレポート

講義:肥料としての海藻をオーガニック農場へ

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

2021年11月8日、CIL研究メンバーのMAHICHI Faezeh准教授が研究の一環として、神鳥農園の創設者である神鳥一、浩恵ご夫妻をお招きし「神鳥農園の挑戦 肥料としての海藻」と題して講演を行われました。
皆さんに公開すべく詳細なイベントレポートを作成されましたので、掲載致します。
より詳しい研究内容はこちら

講義:神鳥農園の調整 肥料としての海藻

研究代表者MAHICHI Faezeh准教授は、CIL研究の一環として教育的枠組みとしての草の根活動の可能性と課題をローカルおよびグローバルな観点から検証し社会における包括的・持続可能な発展を目指しています。2021年11月8日、そのリサーチのひとつとして、自身の講義に大分県杵築市にある神鳥農園創設者 神鳥一(まこと)・浩恵夫妻にゲストスピーカーとしておこしいただきました。

神鳥夫妻は、農園の肥料として海藻を活用した際の思いや感動について語り、これが有機農家としての初めての経験となったことを語ってくれました。11年前に杵築市に移住し、ひとつひとつレンガを積み重ねながら農場を立ち上げたこと、企業や教育機関との協働プロジェクト、メディアを通した宣伝、毎年の杵築市の施設への完全無農薬のゆずの寄贈など、地域の人々に健康でおいしい有機農産物を口にしてほしいという願いを込めた活動を続けています。このような内容が盛り込まれた講演のテーマは以下の通りです。

a) 海藻を利用するという有機農法がもつインパクトと生物多様性の繁栄
b) 「海から山へ」(栄養分循環の概念)。
c) 地元企業・機関との共同プロジェクト、メディア・自治体による認知度向上。
d) APU卒業生との繋がりから生まれた絆の話

30分間の質疑応答では、学生達から数多くの質問があがりました。海から近い場所に暮らす学生からは、住まいから数メートル先にある海藻を畑の肥料に活用するというアイデアを思いつかなかったという声や、神鳥農園と連絡を取ってもっと知りたいといった関心を示した学生達も多くいました。近い将来、この海藻農法のような持続可能な農法がさまざまな人や国・地域で共有されるかもしれません。神鳥夫妻は講演の最後に、学生達に、自分自身を信じ、見返りをもとめずに、自分がやりたいと思うことを実践してほしい、と述べました。

このオンラインコースに参加したAPUの多様な学生たちには、自国における有機農業の問題や耕作地面積に対する割合について調査するよう指示しました。また、神取農園のロゴのデザイン作成をもう一つの課題としました。今回の神鳥夫妻による講演が、学生の学びの経験を豊かにするだけでなく、大分県、日本、そして世界中の地域社会との間に信頼と協力関係を構築する一助となることを期待します。

学生への課題: APU生による神鳥農園のロゴの一例

Sources
1. Organical Facebook: https://www.facebook.com/OrganiCal-Organic-LoCal-104913145174102
2. Kandori Farm Facebook: https://www.facebook.com/kandorinouen

報告:寺前みなみ
監修:MAHICHI Faezeh准教授
謝辞:齋藤元子(翻訳)、ROUX Petrus Willem准教授(EDLSC)