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東京五輪でAPU生がボランティア活動-その2

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東京オリンピックでボランティアを経験したAPU学生へのインタビュー、その2では、インド出身のアジア太平洋学部4回生、Sulagna Banarjee(スラグナ・バナルジー)さんをご紹介します。「その1」でご紹介したMainaさんがAPUを通じたボランティア募集に応募したのに対し、Sulagnaさんはオリンピックボランティアに個人として直接応募して採用されました。Sulagnaさんの長年の夢だったオリンピックボランティアの貴重な体験を共有しましょう。


Q. 東京オリンピック2020のボランティアについて、具体的にどのような仕事をされましたか?

東京オリンピック2020では、プレスオペレーション(報道関係者サポート)チームのメンバーとして活動しました。場所は東京の「武蔵野の森公園」で開催される自転車競技(ロードレース)男女の競技拠点でした。セキュリティチェックで入場者を確認し、カメラマンや記者、ジャーナリストのサポートや、ソーシャルディスタンスなどのコロナ対策のガイドラインの注意喚起が主な仕事でした。このほか、海外プレス受付での通訳も担当しました。
開会式は7月23日でしたが、スタジアムの中での競技と違って、自転車競技はプレス関係者を収容する仮設シェルターを建設する必要があったため、2日早く働き始めました。そのほかにも、プレス用の食事や飲料水の手配、無線LANの動作確認、ポスターや案内表示の設置などの業務も行いました。

Q. このボランティアに応募したきっかけは何ですか?

小学3年生の時に2008年の北京オリンピックを観て以来、観戦やボランティアとしての参加を強く願っていました。この大会で初めて個人のインド選手が金メダルを獲得したため、私の母国であるインドでは当時とても話題になっていたのです。当時から家族と一緒に熱心に観戦したことをよく覚えています。インドではクリケットの熱狂に他のスポーツが埋もれてしまいがちですが、オリンピックは他のスポーツにもスポットライトを当てる、素晴らしいイベントだとも感じています。個人的には特にバドミントンが好きで、オリンピックでもじっくりチェックしていました。そんな私が、2018年にAPUを受験し、2020年に東京オリンピックが開催されると知ったとき、ボランティアに応募するしかないと思ったのです。APUへの出願書類にも書いたくらいです。

Q. 参加前にどのような準備や研修をしましたか?

準備や研修は非常に積極的に行われていて、パンデミックの影響で延期せざるを得なかったものの、2019年にはすでに連絡が来ていました。ますオリンピックの背景や、2020年の東京オリンピックの特徴などを学びました。そして、開催日に近づくにつれ、私たちの仕事内容や、ユニフォームや認定証を手に入れるための手続きなど、詳しい情報が得られました。また、私は授業で参加できなかったのですが、開会式前には会場内での研修もありました。その際も、LINEのグループトークを作成して、全員に周知徹底していました。
私自身は、スケジュール管理はもちろん、宿泊手配や飛行機の予約など、個人で必要なことをすべて準備しました。また、このボランティアのために春第2クオーターの授業を空けることができるよう、第1クオーターのうちにほとんどの授業を受けるようにしました。

Q. 2020年東京オリンピックは何が特別だったのでしょうか?

今回のオリンピックが特別だったのは、新型コロナウイルスの影響下でも、この世界的スポーツイベントをスムーズに実施することができた主催者の力量だと思います。開催前には多くの批判があり、開催中も多くのハードルがありましたが、最終的には誰もが「素晴らしい大会だった」と賞賛するようになりました。コロナ対策も徹底され、ボランティアは全員マスクを着用し、除菌剤、水筒、ビタミンCウォーターが支給されました。また、ボランティアは常に体温をチェックすることが求められ、予防接種スポットでは無料で予防接種を受けることができました。

インドのジャムセードプルという小さな町から来た私にとって、オリンピックのような大きなイベントの舞台裏を直接見ることができたこと自体、ものすごく貴重な体験でした。そして特に私は、日本のマネジメントの効率の良さには驚かされました。最後の種目である女子レースの会場が、競技開始の5時間後には元通りきれいになっているのを見て、驚愕しました。

Q. 最後にこの体験から得たものを教えてください。

とにかく、とても忘れられない経験でした。オリンピックでボランティアを経験したと言える人はそう多くはないでしょう。アスリートの、勝てる見込みがないとわかっていても、何時間もかけて、たくさんの夢をかなえる姿を目の当たりにして、身が引き締まる思いがしました。
そして、主催者の方々の困難を乗り越える姿にも感動しました。オリンピック委員会は、選手やボランティアの一人ひとりに対して、とても思いやりのある対応をしてくれました。最終週まで、お礼のメールや参加証が送られてきました。

また、ボランティア活動で出会った人たちとの絆にも感謝しています。ボランティア仲間とは今でも連絡を取り合っていますが、特に今は、このような長く続くつながりを作ることは、幸せ以外の何物でもないと理解できるようになりました。ここ数年、世界中が深刻な状況にある中で、諦めることなくこの夢をかなえられたことに、深く感謝しています。


「夢をあきらめるな、さもないと夢があなたをあきらめる(Don't give up on your dreams, or your dreams will give up on you.)」

Sulagnaさんのストーリーは、まさにこの言葉の通りではないでしょうか。良い時も悪い時も、常に前向きでいることの大切さ、そして、強い信念を持って夢を追いかければ、必ず成功や前向きな節目が訪れることを教えてくれました。

MAHARJAN Alexa
MAHARJAN Alexa

こんにちは!私はネパールから来た3回生のアレクサ・マハルジャンです。私は、ダンス、旅行、映画鑑賞、サッカーなど、いろんなことに興味を持っています。書くことも私の趣味のひとつで、SPAの一員としての活動することをワクワクしています。SPAメンバーとして、自分のアイデアやビジョンをしっかりと伝えると同時に、APUの学生生活をより深く理解したいと思っています。




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