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卒業生インタビュー Vol.8「バックグラウンドは人それぞれ。自分だけの経験を」

読了時間: 7分

2016年にAPUを卒業した今山裕美さんは現在、デジタル広告の専門家として、世界最大の広告代理店WPPグループ傘下の「グループエム・ジャパン」で勤務しています。
主に外資系企業を顧客とし、日本で効果的なマーケティングや広告施策を打ち出すため、海外本社との調整や、デジタル広告の提案を行っています。そんな今山さんに、学生時代の様子や、東京で広告代理店に勤務するご自身のキャリアについてお話を伺いました。

【卒業生プロフィール】

氏名:今山裕美さん
卒業年:2016年 アジア太平洋学部(APS)
大学時代の活動:TSS(APUのイベントで音響・設備支援を担う学生スタッフ)、RA(レジデント・アシスタント)、サークル(技術提供班Switch)
現職: グループエム・ジャパン株式会社 シニア・デジタル・スペシャリスト

在学中の学業や課外活動のうち、最も誇りに思うものを教えてください。

APUでは様々な活動に参加しましたが、やはりAPハウスでのRAの経験が最も誇れるものだと思います。私は3セメスターの間RAとして、「ワールドフェスティバル」やお正月イベントなど、たくさんのイベントを運営しました。他のRAや寮生たちとの英語でのコミュニケーションに苦労しながらも、異なるバックグラウンドを持つ人たちと意見や悩みを共有できたことは、とても良い経験でした。自分にとっては、関わるイベントやプロジェクトが大きなモチベーションになると実感しました。

学生スタッフTSSの活動はどうでしたか?

私はTSSが発足してちょうど2セメスター目から参加しました。小さなチームでしたが、台湾、アフリカン、ネパールなど、複数のマルチカルチュラル・ウィークをサポートできました。色んなショーを見られたし、多くの国際生たちと共に活動できました。また先輩や後輩、他学部の学生たちと関わる機会も得られました。

APUで一番楽しかったことは?

活気あふれる別府の街での暮らしです。温泉がたくさんあり、本当にいい人ばかり。在学中はストレスが溜まるたびに温泉でリラックスしました。また、山の上にあるAPUの立地も最高です。別府の街が一望できます。友達と「WAVE」に座って、話をしたり、コーヒーを飲んだり、ケバブを食べたり、美しい景色を堪能するのが大好きでした。

APUでの失敗談はありますか?

大学時代の半ば、ちょっと嫌なことがあり、人とのコミュニケーションに消極的になってしまった経験があります。何年も経った今となっては消化できていますが、あの頃は全然自分らしくいられませんでした。うまく対処していれば、もっと遊びに勉強に熱中できていたはずなのに、単純に時間を無駄にしていました。感情を吐き出せるようAPUのカウンセリングルームに通い、ある程度は解消されましたが、それでも当時は自分の考えを整理するのが大変でした。

APUでの経験で今に繋がっていることがあれば、教えてください。

「人は皆、異なるバックグラウンドを持っている」という、いちばん重要で衝撃的な事実を知ったこと。これは、当たり前なのに、なかなか実感し難い真理です。私はAPUで一番好きだった文化人類学の講義で初めて痛感しました。講義では多種多様な文化、コミュニティに関わるケーススタディをたくさん読みました。そのうち、目の前にいる異文化出身の友人も、同様に異なるバックグラウンドを持っていて、それを理解できないのは自然なことなのだと気づきました。以来、友人やプロジェクトメンバーとの会話の中で、常に質問を投げかけるようになりました。「どうしてそう思うの?」「どうしてそう感じるの?」と問いかけ、相手の背景を理解することに時間をかけました。今はAPU時代とは違う経験をした人たちと一緒に仕事をしていますが、合意形成や相互理解に重点を置いた働き方ができていると思います。

マーケティング業界への入社はいつ、どのように決めましたか?

6セメスターの初期に、マーケティング業界への入社を決意しました。芸術に関連した職業に就きたいと以前から考えていて、マーケティング業界はそれを満たすと考えていました。在学中、眠れない夜には、タイやベトナム、中国などの優れた広告やCMをGoogle検索して、勉強していました。さらに、クリエイティブコミュニケーション、広告など、関連分野で働く人々にとって、最も権威のあるカンヌライオンズ国際クリエイティビティフェスティバルを、何度も見ていました。

就職活動について教えてください。どのような情報源を活用しましたか?困難はあったのでしょうか。

面接や内定に簡単にこぎつける学生もいましたが、私の場合はかなり苦戦しました。面接でアピールするためには自分自身をよく知る必要があるのですが、当初は自分の長所や特徴がはっきりしておらず、自信が持てませんでした。でも「長所は誰にでもあり、頑張って探せば必ず見つけられる」と信じて、とにかく努力しました。転職サイト「マイナビ」「リクナビ」を通じて、最初は広告代理店の仕事に就きました。そこで3年間働き、その後、紹介で現在の仕事に就くことができました。

広告業界での経験を教えてください。

まず、広告業界は私が学生時代に想像していたものとはかなり違いました。芸術やクリエイティブに関わることがほとんどだと考えていましたが、実際は数学的要素が必要とされる場面が多くあります。入社当初は、リピーター率やネットワークトラフィックの計算など、エクセルの関数を使っての計算に本当に苦労しました。数字の背景や根拠をお客様に説明するのも大変でした。でも全体的に見れば、この仕事に対する満足度は80%と言えます。

近い将来、どのようなことをされるのでしょうか?

今の仕事の面白さも複雑さも知っているので、もっと自分の能力を伸ばしたいと思っています。同時に、自分に挑戦する機会を増やしたいです。パンデミックの間は以前より時間が増えて、色んなことを考えました。大学時代は友人とライブに行き、音響スタッフとして多くのイベントにも携わっていましたが、コロナ禍ではできませんでした。でも今後は勇気を出して、何かやってみようと思います。趣味である絵や、資格の勉強も続けていきたい。向上心や意識が高いというのは悪いことではありません。チャレンジし続けていけたら、もっと楽しいと思います。

在学生にメッセージをお願いします。

当然のことですが、人はそれぞれ違う経験をしています。それをふまえ、経験の種類、幅、深さを自分で自由に仕分けして、自分らしさを増やしていきましょう。それから、たまにはリラックスする時間をもちましょう。お風呂に入る、ヘッドフォンで音楽を聴く、美味しいものを食べるなど、好きなことをしてください。

Loop.A.S. インタビュアー

名前:アレクサ・マハルジャン
学部:APM
こんにちは!私はネパールから来た3回生のアレクサです。ダンス、旅行、映画鑑賞、サッカーなど、いろんなことに興味を持って楽しんでいます。Loop A.S.の一員として、APUの卒業生と在校生の架け橋になれることを楽しみにしています。

Loop.A.S.
Loop.A.S.

”LOOP”で始まる名前が物語るように、学生団体「Loop.A.S.(ルーパス)」は、APUの卒業生(校友)と在校生を結びつけ、様々な活動やイベントを通じてAPU生にチャンスを広げることを目指して活動しています。APU校友会と協力して、校友と学生が出会い、知識を共有し、在学中や卒業後のより良い生活について理解を深められるような機会を作っています。
学生ブログでは、Loop.A.S.による校友へのインタビュー記事を転載しています。




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