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ともに発展し、挑戦する。 APU生発国際ケースコンペティション

読了時間: 6分

「国際オンラインケースコンペティション2022(IOCC 2022)*1」は、世界中の学生が、シミュレーションを通じてクリティカルシンキングや問題解決能力を磨くための大会です。世界から100以上のチームが参加したこのイベントを開催したのはAPUの活動支援制度「プロジェクトB *2」に選ばれたAPU生たちです。2022年4月から開催され5月1日に決勝戦が行われたこの大会は、通常のケースコンペティションとは一線を画したものでした。
今回は、この大会の共同創設者であるMohammad Muntasir Islamさん(国際経営学部4回生、バングラデシュ出身)とRisane Rizviさん(国際経営学部4回生、バングラデシュ出身)のお二人に、開催前に行ったインタビューを紹介します。

*1 ケースコンペティションとは
アメリカを起源とする取り組みで、参加学生の実践的思考力、チームワーク力、課題発見能力などの向上を目的とした、世界各地で行われているチーム対抗形式の大会です。

*2「プロジェクトB」(イベント・プロジェクト支援制度 B型)とは
「プロジェクトB」は、APUの理念である「多文化理解の促進」「国際社会における責任ある人材の育成」「APUで学んだ学問の活用」「世界・地域・APUコミュニティへの貢献」を支える優れたプロジェクトとして、APUが選抜する学生支援制度のひとつです。詳細はこちら。

IOCC 2022の概要と、他のケースコンペティションとの違いを教えてください。

IOCCの他との違いは、一般的なケースコンペティションに比べて、異なる大学の学生同士でもチームを形成でき、制限や費用も無く参加できるしくみにした点で柔軟性が高いと言えます。更にIOCC最大の特徴は、予選に8つのカテゴリーを設けていることです。一般的にケースコンペティションはビジネスケースが中心のため、他分野を学ぶ学生には敬遠されがちです。そこでカテゴリー制を導入することで、より総合的・包括的にケースを提供できるようになりました。

さらに、IOCCは単なるケースコンペティションではなく、アカデミックな学びと知識を提供し、参加者のコアバリューを育めるよう設計されています。業界のプロフェッショナルが経験やノウハウを共有するアカデミックセッションや、参加者同士が知り合って多様な意見交換ができるネットワーキングセッションなどを、多数開催しています。また、不慣れな学生や本番前にトレーニングしたい学生のために、SNS上でケースの解決法を定期的に共有したり、小規模なケースチャレンジを開催したりもしています。

IOCCを始めたきっかけを教えてください。

当時APUはパンデミックにより広がった隔たりを埋めようと常に努めてきました。また私たちは学部長や副学部長、教授、スチューデント・オフィスのみなさんのサポートや励ましに後押しされ、インクルーシブでAPUを特徴づけるようなこのプロジェクトを進めていました。この私たちのイベントの成功をみたAPUスタッフが、この取り組みを全うすべきだと、プロジェクトBへの参加を勧めてくれました。そして私たちがプロジェクトBに着手するきっかけになったのです。

何より、過去に同様のプロジェクトはありませんでした。パンデミックにより、APUでも多くの課外活動が停止して、学生たちも苦労していたのです。活動したい、友達を作りたいと望む一方で、機会がなく実現できない状況を打開するため、私たちがチャレンジしようと思いました。現状を困難と捉えず、活かそうと考えたのです。APUでの経験や学び、思い出の集大成となる舞台を、卒業前にもう一度実現させたいという想いもありました。

IOCCの着想を経てからの日々を振り返ってください。何から始められましたか?

Risane Rizivi:まず他のコンペティションを分析し、そのデータに基づいてIOCCの構造を組み立てようとしました。真似はしたくはないものの、違いすぎて理解されないのもよくない。そこで先生方とよく話し合って、実現可能性を見極めつつ、両者の中間点を模索しました。

Mohammad Muntasir Islam:立ち上げ時の構造設計はRisaneがほとんど担当しました。私はどちらかというと、人脈を駆使して、教授や関係者とのやり取りに徹しました。構想が固まり、教授や学部からのゴーサインをもらったらまずチームを結成しました。IOCCのような大規模なプロジェクトは、適切なチーム無しには決して実現できません。そこでまず、他の企画で協働した仲間や、IOCCに興味を持ってくれそうな友人に声を掛けました。その後、企画書や書類を整え、APUの活動支援制度の面接を受け、最終的に「プロジェクトB」に採択されました。

IOCCに期待すること、目標を教えてください。

イベントが成功か否か、量的にも質的にも示せます。量的な面では、コンタクトを取った大学から多くの反応が得られること。現在、複数の国から50チームの登録がありますが、更に増えることを期待しています。質的な評価については、学部や教授陣だけでなく、国際的に知られた企業や、様々な分野の著名な専門家たちからも支持を得られているため、上々だと思っています。また50名以上いるIOCCスタッフは、全員優秀で意欲的です。ただ単に指示通りに動くのではなく、メールの作成から日程調整まで、自らアイディアを出してくれます。コミュニケーションはいつも相互的で、今後も長く協働していくための基盤ができています。

これまでにどんな課題がありましたか?

最大の課題は技術面にありました。まず、新しいメールIDを取得し、使用することにより、送信メールの多くが迷惑メールと認識されてしまいました。また全く新しいイベントのため、資金の工面にも苦労しました。様々な情報の流れを把握して、多くのステークホルダーを満足させるという、組織・経営上の課題も多くありました。ですが時間の経過とともに問題点を洗い出し、効率的に対処できるようになりました。

今後のIOCCに望むことを教えてください。

IOCCには、年間行事または学生サークルとして、APUの本格的な組織になってほしいと思っています。このプログラムは世界中の学生に開かれていますが、特にAPUの学生に対して価値を創造し、提供し続けることができると心から信じています。現在スタッフとして活躍してくれている学生コミュニティには、IOCCの本格的な組織化にぜひチャレンジしてほしいです。彼らがプロジェクトの意志を引き継いでくれるよう、育んでいます。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

IOCCは今回が初開催ですが、これからも続いてゆきます。私たちはIOCCに携わることで、短期間で新たな経験を積み、能力を発揮し、そして一人ひとりが拠り所となるコミュニティを見つけることができました。他のAPU生にも是非このような素晴らしい経験をしてほしいです。新しい仲間と出会い、強い絆を築き、共に学び、踏ん張るために、IOCCは最適な場所であると信じています。

IOCC 2022に関する詳しい情報は、以下のウェブサイト、SNSをご覧ください。

MAHARJAN Alexa
MAHARJAN Alexa

こんにちは!私はネパールから来た3回生のアレクサ・マハルジャンです。私は、ダンス、旅行、映画鑑賞、サッカーなど、いろんなことに興味を持っています。書くことも私の趣味のひとつで、SPAの一員としての活動することをワクワクしています。SPAメンバーとして、自分のアイデアやビジョンをしっかりと伝えると同時に、APUの学生生活をより深く理解したいと思っています。




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