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誰も取り残さないSDGs – 学生団体「We Are Aware」

読了時間: 5分

We Are Awareのロゴ(左)とSDGsの課題 (右)

「持続可能な開発目標」という言葉をご存じですか?APUの学生であれば、知らない人はいないですよね。
世界の持続可能性の基準である「持続可能な開発目標(以下、SDGs)」は、私たちにとってより良く持続可能な未来を実現するための目標17個を集めたものです。しかし、あなたはどれくらい知っていますか?17の目標というと、「聞いたことがある」「どのような基準で成り立っているのかよく知らない」という方も多いのではないでしょうか。

そこで役立つのが、ProjectB*の学生団体である "We Are Aware"です。

APUの学生団体「We Are Aware」は、SDGsの目標を広く知ってもらうことを目的にしています。また様々なバックグラウンドを持つ人々が持続可能な未来に向けて協力し合うことを主な使命とし、独自のプラットフォームを活用し、情報発信や対話型イベントなどを積極的に行っています。

2022年5月1日(日)、私はプロジェクトの創設者の一人で、現リーダーであるインドネシア出身のRachel Ciciliaさんにお話を伺う機会を得ました。

SPA: これまで「We Are Aware」を知らなかった人のために、プロジェクトの紹介をお願いします。

Rachelさん:私たちのプロジェクト「We Are Aware」は、若者のみなさんへ17のSDGs目標を広めることを目的に、はじめの一歩として、とりわけインドネシアに焦点を当てています。そこから、より多くのオーディエンスにインパクトを拡げられたらと思います。現在私たちは、APUスチューデントオフィスのプロジェクト支援制度B型(通称Project B)の対象団体に選ばれ、ウェビナーなど複数のプロジェクトを計画しています。SDGsの項目ごとにウェビナーを開催する予定ですが、現在2回の開催を実現したばかりです。ウェビナーでは、そのSDGsの達成に尽力されている著名な講師やNGOの方々をお招きしています。学生を仲介して、これらのNGO活動をより身近に感じてもらいたいと考えています。

SPA: 数ある国の中で、なぜインドネシアを選んだのですか?

Rachelさん:インドネシア出身の他の創立メンバーと私は、このSDGsについて自分たちがいかに無教養であったかを思い知らされました。私が初めてSDGsのことを知ったのは、APUに入学したときです。インドネシアの高校時代、私たちは暗記ばかりで、差し迫った課題に直面しませんでした。そこで、私たちはAPUの学生で、大学から活動支援も得ているので、インドネシアの教育に存在するこのギャップの最小化を試みようと考えました。

#WeAreConnecting のウェビナーでは「飢餓をゼロに」をテーマとし、インドネシア出身学生へ身近な母国の問題を紹介

We Are Awareは、ウェビナー以外でも、各SDG目標に関する世界の時事問題を積極的に発信しています。「“Adventures with Kirana,”(Kinaraと冒険)」というタイトルのコミックシリーズでは、架空のジャーナリストであるキラナが世界各地を旅しながらグローバルな問題を探求していく物語を描いています。これはSDGsの認知を広めるための彼ら独特の手法です。ストーリーテリングとグラフィックを駆使し、読者が主人公の旅に共感できるようにしています。

We Are Awareのレポートやコミックの連載は、Instagramでご覧ください。@weareaware__

アフリカの貧困とそれを撲滅しようとするNGO、“Acumen”を紹介 (作画:Audrey Ardisa)

SDGsに関連する問題について、洞察に満ちたレポートを配信している。

また、彼らはAPUのキャンパスで、SDGsに関連するインタビューを行い、より実践的なアプローチで学生に問いかけをしています。最近の #WeAreAskingというインスタのリールでは、学生に「飢餓」という言葉の定義を尋ね、後日にSDGsの2番目の目標である「飢餓をゼロに」に関連する、シンプルなシナリオを提示しました。

インタビューを通して、Rachelさんは、彼らの生活に関連したもの、彼らが解決したり考えたりできる身近なものからアプローチすることが効果的だと気づいたそうです。食べ物に関連した事例を紹介するように、SDGsをゆっくりと紹介することで、彼らを圧倒することができるのです。

SPA:なぜ人々、特に大学生が、サステイナビリティの諸問題をもっと学ぶことが重要なのでしょうか。

Rachelさん:サステイナビリティは、まさに今の私たちの世界にとっての課題です。この課題は、現代の大発明といえると思います。未来のリーダーである私たち大学生が、何に取り組むべきか、その達成状況までわかる。また、これは世界のためだけでなく、私たち自身のためでもあるのです。誰でもなく私たちの未来です。だからこそ、自覚が大切だと思います。

SPA:リーダーとして、プロジェクトBのチーム運営で最も苦労されたことは何ですか?

Rachelさん:自分のモチベーションの維持に苦労しました。人はたいてい、何かに取り掛かるときはやる気に満ちていますが、士気の下がるときもあるものですよね。それでも私は、信念や使命感をもって、自分がこの組織を立ち上げた時の初心を忘れずにがんばろうと思っています。

今回のインタビューで、私はRachelさんのSDGsへの強い情熱を感じました。私自身、いま世界で起きている問題の重要さに気づかされたのです。「SDGsは誰も取り残さない」というRachelさんの言葉が心に残ります。

Rachelさんは、この17のすばらしい目標がいかにすべての国のニーズをとらえ、具体的な目標にうまく単純化しているか、そして私たち自身がその目標を認識し、協力すれば大きな力をもつことを理解してほしいと、力強く訴えていました。
Rachelさんにとってこの活動は、SDGsをアピールするだけでなく、彼女自身わかっていると思い込んで知らずにいたことを自覚する、学びの機会にもなっています。すべては学びのプロセスなのです。

APUの学生が、リソースや素晴らしい教授陣、多文化的な環境を活用し、彼女と同じようにこの旅に参加することを願っています。

インタビューへのご協力ありがとうございました。

We Are AwareのInstagramはこちら
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AMARA Zahra Djamil
AMARA Zahra Djamil

こんにちは。私はインドネシア出身のアマラです。書くことや物語をシェアすることが好きです。SPAに参加したことで、APUの新しくてクリエイティブな人たちと出会い、彼らの興味深い経験を知ることができました。趣味の映画を課題の忙しくないときに観ています。




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