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ネパールで「日本の大学生」になった新入生:オンライン留学ならではの苦悩

読了時間: 4分

COVID-19のパンデミックが日常生活はおろか教育に与えた影響は計り知れません。私は2020年の春、これから起こるパンデミックを全く予想せずに、APUの学生としての新しい人生の1ページを迎える準備をしていました。入居手続きを済ませ、ビザを取得し、飛行機を予約して、出発の日が来るのを楽しみに待っていました。私は、日本という国やその生活様式について限られた知識しか持っていなかったので、日本で体験する前に、まずは日本文化の奥深さに踏み込んでみることにしました。そこで日本の有名作家の本を読んだり、日本の様々な地方を旅する動画を見たり、美味しい日本料理を味わったり、アニメを見たりもしました。さらに、日本での厳しい学生生活をスムーズに送れるように、ひらがな、カタカナ、漢字の勉強も始めました。このように私はついに日本に住むことができる喜びでいっぱいでした。

しかし、私には過酷な運命が待っていました。福岡へのフライトの数週間前に世界が次々にロックダウンし、私は無期限に母国ネパールに留まることになってしまったのです。何週間もの不安と延期の後、やっと5月に春セメスターの授業が始まりました。

オンライン学習のデメリット

オンラインでの学習は誰にとっても初めてだったので、当然慣れるまで時間がかかりました。Zoom、Manaba、Campus Terminalなどの慣れないアプリケーションの機能を理解するのは、はじめは大変でした。また、オリエンテーションもオンライン化され、そのほとんどが動画で構成されていたため時間がかかりました。ネパールと日本は3時間以上の時差があるため、私の場合早朝5時から授業を受けました。アクティビティや講義はすべてオンラインで行われるため、スクリーンタイムはかなり変則的なものになりました。必然的に、私は最初のセメスターではほぼ気力を失っていました。参加したいイベントやワークショップ、クラブ活動はたくさんあったのですが、オンラインで再現された活動は、最終的にキャンパスに行って他の学生たちと一緒に味わうほど充実した経験にはならないだろうという自分の込みから、参加を控えていました。特に、先輩たちが口をそろえて言っていたAPハウスの賑やかな雰囲気に憧れていました。また、日本語を母国語とする人たちと接する機会が少なかったため、日本語の会話力にも苦労しました。

伝統的な対面授業のメリット

1年間Zoomの授業を受けて、オンライン学習がこれまでのやり方(対面授業)に取って代わることはできないという私の意見に確信を得ました。バーチャルリアリティの領域を超えて、人間は社会的な存在です。現代の教育で「アクティブラーニング」が盛んにいわれることからも、今日の大学は、教科書的な知識だけを重視しているわけではありません。学生に探求を促しています。この点でオンライン学習をしていると、体を使って学ぶことの大切さを痛感します。人間は経験によって成長します。学生には、家族から離れて大学の多様な環境で過ごす期間がその経験を培う時間にあたります。それまでと違ったものの見方を身に着けるために重要な時間でもあります。またこの経験は、コミュニケーションや有意義な人間関係を築くことが個人として社会人としての未来のために学生には不可欠です。

APUの後押しを受けて前へ

しかし逆境の後に待つ光を信じて、私はこれからのAPUでの生活で得られる多くの機会に感謝し、今後どんなことにも100%の力を発揮できるようにしたいと思っています。私は、APUがこの困難な時期に学生のために一歩進んだ対応をしてくれたことをとてもありがたく感じています。目の疲れを癒すための授中の5分休憩、経済的に苦しい学生を積極的に支援するAPUスチューデント・サポート・ファンドやAPUハンズの活動、このような状況下でも異文化コミュニケーションの機会を提供することを目的としたAPU GLADのような専門的なプログラム、学生の心と体の健康に配慮した様々なワークショップの提供など、APUはオンライン学習の状況で何もあきらめることのないようにしてくれました。APUは2021年春から、オンライン、ハイブリッド、スイッチスタイル、オンキャンパスの4つのスタイルで授業を行い、学生は自分の状況に合わせて柔軟に授業を選択できるようになりました。次のクオータを迎えるにあたり、学生の皆さんには、これまでの困難な時期や失ったチャンスばかりを考えるのではなく、これからのAPU生としての貴重な期間を楽しんでいただきたいと思います。

MAHARJAN Alexa
MAHARJAN Alexa

こんにちは!私はネパールから来た3回生のアレクサ・マハルジャンです。私は、ダンス、旅行、映画鑑賞、サッカーなど、いろんなことに興味を持っています。書くことも私の趣味のひとつで、SPAの一員としての活動することをワクワクしています。SPAメンバーとして、自分のアイデアやビジョンをしっかりと伝えると同時に、APUの学生生活をより深く理解したいと思っています。




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