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教育プログラム|学生生活
いま、日本企業は海外事業展開を加速させています。これに伴い、企業が強く求めているのは、世界に躊躇なく飛び込み、新たな道を切り開いてくれる人材です。 世界中から国際学生が集う立命館アジア太平洋大学(APU)では、学生たちが日夜、民族や宗教、文化などの違いを越えて共に学び、相互に理解を深めています。その中で培われる国際感覚は将来、世界を舞台に活躍する上で大きな武器となるでしょう。
海外に事業展開をしている企業で働く、卒業生のNadeeshani Sashikala Abeysekeraさんと加納 麻衣さんにお話を伺いました。
2012年春から、花王のファブリック&ホームケア事業ユニットの国際担当として、衣料用洗剤の海外におけるマーケティングを担当しています。台湾、香港、オーストラリアが私の担当地域です。
私は三井化学のヘルスケア材料事業部メディカル材料グループで、主に医薬関係のB2B海外営業に携わっています。米国や欧州、韓国、インドなどの企業が主な顧客です。
財産になっているのは、APUでの体験を通じて異文化への抵抗感が無くなったことです。なにしろ国際学生(留学生)が半数を占めていて、互いの言語や文化が違うのは当たり前という環境です。グループワークをする機会も多く、その度にいろいろな国の人たちと議論をし、意見をまとめて発表したり、チームを作って1つのプロジェクトに取り組んだりといったことを日常的に繰り返していました。
国際学生とは、お互いの差異を認め合いながら、相手の話を聞き、理解した上で、より良いものを作っていきました。これこそグローバルビジネスの基本だと思います。例えば台湾の場合、現地にローカルのマーケティング担当がいるのですが、彼らの協力無しにビジネスの成功はあり得ません。台湾で暮らす人々の嗜好を最も熟知しているのは彼らです。彼らからアイデアや意見を引き出しつつ、ブランド戦略など花王としての意向も伝えながら、一緒になって考え、活動しています。
全員で1つのものを作っていくには、相手を受け入れつつ、自分の考えも主張しなければなりません。育ってきた環境が違うので、各自がいろいろな意見を持っていて、ぶつかり合うのは当たり前だと思います。
ぶつかった時に、もっと深い関係になれるという経験があるからですよね。
そうです。考えや思いを全部吐き出すと、お互いがどんな人間かおのずと分かってきます。おかげで意見をぶつけ合った人ほど親しくなりました。いろいろな国の人たちと一緒に仕事をすることは決して大変なことではなく、本当に楽しいことだと感じています。ただAPUでの経験がなかったら、そんなふうに思えなかったかもしれませんね。
APUの4年間は本当に有意義な時間で、「どんな文化背景があっても基本はみんな同じ」と思えるようになりました。何しろ世界中から集まった学生と過ごすのですから、どこの国の人と接しても外見的なものではなく、その人の考えなど、内面的なものに目を向ける意識が身につきました。大事なのは、相手をリスペクトすることであり、信頼することだと思います。
国際学生たちからは、とにかく「あなたはどう思いますか?」と聞かれました。高校時代までは、特別言葉にしなくても分かってもらえることが多かったのですが、APUではそれは通用しない。自分がどう考えているかを明確に表現できないと認めてもらえないので、何故そう考えるかをこれまでになく考えるようになりました。不思議なもので自分に対する理解が深まるにつれ、自分の意見や主張をより積極的に発信したくなっていきました。目の前の友達と話したい、自分を分かってもらいたい……。そんな気持ちに急かされ、語学力を含めたコミュニケーション能力が自然に上がっていたというのが実感です。
APUではプレゼンテーション能力も身に付きました。授業などではとにかく発表する機会が多かったので、日本語でも英語でも人前で話すのがそれほど恥ずかしくなくなりました。今の会社でも月次報告やプレゼンテーションをする機会が多いのですが、そんなに緊張せずに臨めている気がします。
就職活動の時の面接も楽しかったですね。自分の考えを話すことも大学生活の中で慣れていたので、毎回「どんなことを聞かれるんだろう」とわくわくしていた気がします。APUで得たもの、実際にやって成果を出したことが沢山あったので、「あれも話したい」「これも話したい」って思っていましたね。
私は国内学生と国際学生が半々で集まり、1泊2日で交流を深める「マルチカルチュラル・キャンプ」を、在学中にインド人やオーストラリア人の仲間と立ち上げました。そのような活動を通して、本当の意味での友達をつくることが狙いです。
APUは様々な国際体験ができる環境にありますが、何もしないでいると、つい気心の知れた同郷の人間だけで集まってしまいがちです。そこで、国際学生ともっと交流を深められる機会を作ろうと考えました。今も大学の課外活動として実施されているようなので、発案メンバーとしてはとても嬉しく思います。
様々な国の友人は、APUで得た貴重な財産です。例えば、文化の異なる消費者に、より訴求力を持つマーケティング戦略を立案する上で、かけがえのない相談相手になってくれています。
私は大学の学生寮「APハウス」で寮生の生活サポートや交流イベントの企画などを手掛けるレジデントアシスタントを務めていました。様々な国から集まった寮生が、APUや別府で円滑に生活できるようケアするのが仕事です。燃えるゴミと燃えないゴミの説明から病気になった時の対処まで、やるべきことは多岐に渡ります。価値観の違いから発生するトラブルなど一筋縄ではいかないこともありましたが、今思うと、異文化コミュニケーション能力を高める上で格好の経験だったと思います。今でも国外に行くと必ずといっていいほど、APUで共に学生生活を過ごした知人に空港で会います。知人でなくとも、不思議とAPU生であることが分かり、友達になることもあります。海外のどこにいても仲間がいるので心強いですね。
高校時代に1カ月だけマレーシアでホームステイした経験があって、それ以来、「国際人」になりたいと考えてきました。そのためには語学力だけでなく、国際感覚を磨かなければならないという強い意識があり、それを実現してくれる大学を探した結果、APUを知りました。半分が国際学生で半分が日本人。しかも限られた地域だけではなく、50カ国以上の人たちと4年間一緒に学べる。授業が日本語と英語の二言語で開講されていて、自分の英語のスキルが上がれば、英語で専門科目の履修ができる。単に語学を学ぶだけではない、そんな大学はAPUしかありませんでした。ここで学んだら、私の思い描く「国際人」になれると思ったのです。今は少しずつその目標に近付いている気がします。
当時はまだ卒業生がいなかったこともあって、私がAPUに進学することに対して、両親は最初あまり乗り気ではありませんでした。私はもう心底APUに惚れ込んでいましたから、母をオープンキャンパスに連れて来たり、「こういうことが学びたい。それにはAPUでないと駄目だ」と懸命に熱意を伝えたり、いろいろな手を使って説得しました。今では両親も「いい大学に行って良かったね」と言ってくれています。
私の場合、候補として米国や欧州の大学、そして日本のAPUがあったのですが、最も興味を持ったのがAPUでした。決め手となったのは、やはりいろいろな人と出会える環境です。APUにいる間、自分のことを外国人だと感じたことはありませんでした。
APUにいると、国籍を全く意識しなくなりますよね。どこの国の出身か意識せず、一人の人間同士として付き合えます。
グローバルに活躍したいので、米国や欧州、インドなどにある会社の海外関係会社で働いてみたいと考えています。その国や地域のお客様の声をより近いところで聞き、そのニーズに円滑かつスピーディーに対応することで、お客様との信頼関係をさらに向上させていきたいと思います。
まずは担当エリアである台湾、香港、オーストラリアで成果を上げたいと思います。これからもAPUで培ったパイオニア精神のもと、花王の良いモノを世界中に届けられたらと考えています。