ニュース

「おんせん県おおいた♨世界温泉地サミット」で海外温泉地事例調査結果を発表

教育プログラム

2018/06/12

2018年5月25日(金)~27日(日)の3日間、国内外の温泉自治体のトップや経営者、研究者等が集まり、別府ビーコンプラザにおいて、世界初となる温泉の世界サミット「おんせん県おおいた♨世界温泉地サミット」が開催されました。サミットでは、温泉資源の新たな活用と温泉がつなぐ地域資源の多様な活用方法等が議論され、その中で、本学の久保隆行 アジア太平洋学部准教授の演習科目を受講する学生が研究発表を行いました。学生が執筆した本取り組みに関する記事を掲載いたします。

本学では、この度、「おんせん県おおいた♨世界温泉地サミット」事業の一部として掲題調査に取り組みました。

今回、本事業の一部として、世界温泉地サミット実行委員会(会長:広瀬勝貞大分県知事)より、立命館アジア太平洋大学に対し、「海外温泉地事例等調査研究委託業務」の委託がなされました。業務推進にあたり、アジア太平洋学部久保研究室が担当となり、本調査研究に取り組み、2018年5月26日、世界温泉地サミットの関連イベントにて研究成果発表を行いました。

本学の所在する大分県別府市は、日本有数の温泉地であり、源泉数、湧出量日本一の「おんせん県」として、地域と連携しつつ「おおいた」のブランドを高めていこうと取り組んでいます。また、本学の観光学分野は、2018年4月に国連世界観光機関(UNWTO)より観光学教育や研究をリードする大学に付与される国際認証「テッドクオル(TedQual)」を日本国内の私立大学として初めて取得しています。このような環境において、APU学生自らが、世界の温泉地の調査を行うことは、温泉産業による観光や経済、地域の観光開発を学ぶ機会となり、観光学教育に直結するものだと考えています。

今回の調査では、世界温泉地サミットに海外から参加した地域に別府市を加えた17カ国18地域の温泉地について調査を行いました。調査対象国(地域)は以下のようになっております。
アメリカ(アーカンソー州)・チェコ(ホドニン市)・ドイツ(バートクロツィンゲン市)・フランス(ヴィシー郡)・ハンガリー(ブダペスト市)・スペイン(マドリッド近郊)・アイスランド(グリンダヴィーク市)・イタリア(アバノ市)・イギリス(バース市)・ヨルダン(マイン市)・ニューシーランド(ロトルア市)・タイ(チェンマイ県)・モンゴル(バヤンホンゴル県)・中国(湖北省咸寧市、山東省烟台市)・韓国(釜山広域市)・ベトナム(トゥエンクワン省)・日本(別府市)

委託された調査の内容は、各地域の温泉施設の比較(外観、広さ、付随施設、温泉の色)、温泉を産業等に使用している例、医療行為としての温泉利用、温泉の楽しみ方の違い(入りながら行うことなど)、絶景温泉、変わった温泉(意外な場所の温泉等)、文化による入浴方法の違い、国際学生が日本の温泉で驚いたこと、などについてです。これらに加え、久保研究室では、各国・地域の人口・経済指標、国際観光競争力、地域特性等についても詳しく調査を行い、各温泉地の地域経済における役割について考察を深めました。

調査実施にあたっては、久保研究室のゼミ生14名(アジア太平洋学部3回生)が4つのグループに分かれ、それぞれ担当地域の調査を進めていきました。週に1回の演習科目の授業において、まず4月12日にグループ分けと調査担当地域の割り振りを行い、調査をキックオフしました。その後は各グループに分かれて本格的な調査を進めました。調査の方法は、主にインターネットを利用して国や地域、温泉についての情報を集め、不明な点があればその国や地域のAPUの国際学生にヒアリングするなど、APUの国際色豊かな環境を十分に生かしながら調査を行いました。演習科目の授業では、積極的に調査の途中経過を互いにプレゼンしつつ、自分の調査担当以外の温泉地についても学び、相互に意見交換しました。

そしてついに、5月26日(土)別府ビーコンプラザで行われた「世界温泉地サミット」に参加し、同時開催された「世界温泉観光地物産展」にて海外温泉地事例等調査研究の発表を行いました。

世界初となる「世界温泉地サミット」は世界の温泉地が拓く地域発展の可能性というテーマをもとに開催され、温泉がある海外16カ国と国内の75の自治体関係者約1,000名もの方々が参加しました。イベントでは、国連世界観光機関(UNWTO)でサステイナブル・ツーリズムを推進してきたヨランダ・ペルドモ氏による温泉地の発展の可能性についての基調講演や、アイスランド・イタリア・フランスの代表者による温泉の活用事例の発表などがありました。

世界の温泉地のそれぞれの特徴を活かした温泉の利用方法などを知ることにより、さまざまな気づきや新たな発想から今後、日本らしい温泉地の開発への一歩として、今回の世界温泉地調査研究を活かそうと考えています。

(写真のコメントは久保先生より)

学生の皆、発表準備に最後まで懸命に取り組んでいます

ステージにあがってしまえば大丈夫 APU生お得意のプレゼンをご覧あれ!

発表終了後全員でピース! さあ、これから打ち上げです!

調査研究担当学生から一言

「発表会場が想像以上に広く驚きました。最初は、あまり多くの方の注目を集められませんでしたが、だんだん聞いてくださる方が増えてきて、最後はイギリス・バース市の代表者の方も聞いてくださり、とても嬉しかったです」

「私はヨーロッパの温泉の調査を担当しました。調べていくうちに日本の温泉文化との違いが明らかとなりました。さらに、温泉地のプロモーションにおいても洗練されており、日本でも学べる点が多くありました」

「私はアジア太平洋地域の温泉の調査を担当しました。この地域は日本の温泉地・別府とさまざまな相違点があることがわかりました。スパ施設では、医療や健康に関するサービスが徹底されており、日本が参考にできる事例をたくさん発見しました」

「世界中の温泉地について、調査をするたびに新しい発見が沢山あり、楽しく研究することができました。また、発表においても聞いてくれている方の驚いた反応などを直接見ることができ、今回の機会で得たことを、今後に活かしたいと思います」

久保隆行 アジア太平洋学部准教授 

久保研究室所属3回生
石橋沙彩、宇佐元彩、岡部愛実、川野陽菜、河野真理子、小林莉子、相良有紀、
高木史織、髙塚夏希、竹居鈴穂、田中衿花、松成友希子、三次遼、六田拓洋
(50音順)

(文:アジア太平洋学部3回生 松成友希子)



  • LINEで送る

PAGETOP