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歴史の裏側を覗く~九州国立博物館フィールドトリップ~

教育プログラム

2019/06/27

2019年6月4日(火)、HPGCオナーズプログラム(Honors Program for Global Citizenship) の学生を中心とした31名が、福岡県太宰府市にある九州国立博物館を見学しました。このイベントは、APUで学ぶ国内外からの学生達に九州国立博物館(https://www.kyuhaku.jp/)の取り組みを知ってもらいたい、という九州国立博物館振興財団様からのご招待により実現しました。

バックヤードツアーでは、参加学生達は4グループに分かれ、各グループには英語ボランティアガイドについていただきました。学生達は英語での説明を受けながら、普段は入ることができない博物館の裏側を1時間ほどかけて巡りました。

まず初めに博物館の土台部分に案内され、巨大な積層ゴムや鋼棒ダンパーなどから成り立つ免震層の仕組みについて学びました。地震に対してあまり馴染みがない国の出身の学生達は文化を保存する施設である博物館がここまで免震の対策を行うとは想像し難いようで、地震大国である日本ならではの対策に、驚いた様子でした。

続いて博物館の展示場の裏側へ周り、文化財保存修復施設窓と収蔵庫窓から、実際に修復作業を行っている様子を見学しました。細かい修復作業で行う学芸員の手つきを、息をひそめてジッと見つめている学生達の真剣な眼差しが印象的でした。また空調設備の重要性についても説明を受け、温度と湿度のコントロールが重要文化財の収蔵のためには不可欠であること、そして館内の至る所に九州各地原産の杉などの木材が使われており、人工成分を含まない自然の湿度調整が可能となっていることも学びました。学生からは「この博物館で一番高価な展示物はどれか」「停電になったときはどうするのか」などの質問が活発に飛び交い、ボランティアガイドの方もたじろぐほどでした。

バックヤードツアー終了後は、各自で博物館の展示を巡りました。特別展では、京都大報恩寺収蔵の快慶・常慶の木彫りの仏像などが展示されていました。インド出身の学生は「仏教の影響をこのような所で見ることができ、自国のルーツを探れてとても嬉しい」と述べていました。また京都出身の国内学生は「普段京都にいても見ることができないコレクションがあり、改めて勉強になった」と感想を語りました。

博物館の見学終了後は自由行動となり、博物館のそばにある太宰府天満宮を参拝したり、大宰府名物の梅が枝餅を食べたりなど、各自が思い思いの時間を過ごしました。日本の神社を初めて体験する留学生に、お清めの手順やおみくじの引き方などを日本人学生が教えるなど、ちょっとした異文化交流体験にもなりました。普段のキャンパス生活では学べない、歴史を学んで感じとることができた貴重な1日となりました。



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