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ダイバーシティ、その先のステージへ。日本外国特派員協会(FCCJ)Book Break実施

イベント|SDGs

2023/05/01

3月6日(月)東京の日本外国特派員協会(FCCJ)にて、インクルーシブリーダーシップセンターのセンター長篠原欣貴教授、エグゼクティブディレクター ライラニ・アルカンターラ教授主導で出版された書籍 “Diversity and Inclusion in Japan: Issues in Business and Higher Education”の出版を記念したイベント「日本のダイバーシティとインクルージョン~高等教育とビジネスの現場において~」を実施しました。

このイベントは、書籍の内容を座談会形式で出席者と議論するもので、今回は、英国を拠点とする教育系メディアUniversity World NewsのSuvendrini Kakuchi氏をファシリテーターとし、共著者の津田塾大学の高橋裕子学長の全4名が登壇し、日本社会におけるダイバーシティとインクルージョンの課題や現状について、議論を交わしました。

アルカンタラ教授の「この書籍の目的は、ダイバーシティとインクルージョンのより深い理解を促進するためにビジネスの場面と教育の場面を切り口に執筆した。この書籍が日本のD&I、インクルージョンについてもっと議論が深まるきっかけになれば」と話し、議論がスタートしました。2時間半にわたるイベントの中で、トピックは年齢、性別、国籍、障がいを持つ方々、全ての人々を包含した職場と教育現場のインクルージョンについてなど多岐にわたりました。

Kakuchi氏から「皆が組織の一部だと感じられるようにすることがインクルージョンを推進する上でとても大事だとおっしゃったが、日本では所属する組織への帰属意識がとても強い傾向にあり、組織の一部と感じることは得意なのでは」との質問に、篠原教授は、「確かに昭和時代のなごりでそういったことはある。しかしながら組織の一部、と感じるだけでインクルージョンは、充分ではない。皆が自身のユニークさを生かされていると感じるかということが更に重要だ」と話し、「所属していると感じること以上に、その人自身の個性が組織に認知されているかどうか、それが活かされる適所に配置されているのかどうかも大変重要なポイントだ」とアルカンタラ教授は付け加えました。

また参加者から「企業などの役職者に女性を登用するということは、このご時世、ある意味パフォーマンスだと見て取れることがある、それについてはどう思うか」との質問に 津田塾大学の高橋学長は、「確かにそれは否めない。現時点で多くの企業の女性トップは、内部からの登用ではなく女性役員の比率を上げるための外部からのヘッドハンティングなどが多い。これも問題で、女性トップが育たない原因だ」と指摘したうえで、「しかしながら、女性役員を置くということがファーストステップでもある」と言及しました。

今回、このイベントを開催するきっかけとなった、書籍 “Diversity and Inclusion in Japan: Issues in Business and Higher Education” (1st Edition Diversity and Inclusion in JapanIssues in Business and Higher Education Edited By Lailani Alcantara, Yoshiki Shinohara Copyright 2023) は、オープンソースとして公開されており、どなたでもご覧いただけます。
オープンアクセスコンテンツはこちら
https://doi.org/10.4324/9781003299509

イベントの様子は、FCCJの公式YouTubeチャンネルにて公開しています。(1時間10分)
Book Break: “Diversity and Inclusion in Japan” - A Round table discussion by authors
https://youtu.be/lrhWWZLGXmQ



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