学長ノート

卒業生へのメッセージ(2023年春学位授与式)

2023/03/17

出口 治明 第4代学長

祝 辞

卒業生・修了生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。教職員を代表して、皆さんの門出を心より祝福いたします。そして、皆さんを支え励ましてくださったご家族の皆様にも、感謝とお祝いを申し上げたいと思います。

APU2030ビジョンでは、「APUで学んだ人たちが世界を変える」ことを目指していますが、皆さんが学生生活を送っている間にも世界は新たな問題を抱えてきました。世界的なコロナウイルス感染症の拡大というパンデミックは発生から3年経った今も続いており、1年前にはロシアによるウクライナ侵攻が始まりました。トルコ、シリアでの大きな地震の発生や世界的な難民の増加など、世界は様々な危機に瀕しています。人類は国境を越えた正解のない問題に立ち向かっていかなくてはなりません。これらの課題は、国を超え、異なる他者を思いやる対話なしには解決できません。これはまさに皆さんが多文化環境のAPUの授業や生活の中で、考え、悩み、解を見つけてきたことと同じです。だからこそAPUを巣立つ皆さんの今後の活躍に大きな期待を抱いています。

これから広い世界に羽ばたく皆さんに、僕から覚えておいてほしい3つのことをお話したいと思います。

1つ目は、自分に正直に生きてほしい、ということです。誰のものでもない「この路」を歩んでください。もちろん途中でやめても構いません。その時は違う道を行けばよいのです。他人の評価を気にせず、自分に正直であればそれで十分なのです。

2つ目は、常に仲間を大切にしてほしい、ということです。何かを成し遂げようとする時、一人でできる事は多くありません。仲間と協力し連携することで困難と思われたことも突破できるのです。社会にでれば、上司、同僚など必ず仲間がいます。また、世界に目を向けると 20,000 人を超えるAPUの校友が活躍しています。皆さんはこの世界中の仲間との絆を大切にしながら、世界を変える挑戦を続けてください。そして、APUを第二の故郷と思って、いつでも帰ってきてください。APUはいつでも皆さんを歓迎します。

3つ目は、「人・本・旅」によって学び続けてください。詩人で小説家の島崎藤村は「人の世には三智がある。学んで得る智、人と交わって得る智、みずからの体験によって得る智がそれである。」という言葉を残しています。社会に出ても、自分を高めるために、興味のある分野の人に会って話を聞き、本を読むことで空間や時間を超えて会えない人の言葉や考え方に触れてください。そして、広い世界を旅して見聞を広めてください。この学びは間違いなく皆さんの人生の選択肢を増やすことにつながると思います。

最後に、僕の好きな言葉を皆さんに贈ります。
「Go where nobody has gone, Do what nobody has done」

皆さんのこれからの人生に幸多からんことを祈ります。ご卒業おめでとうございます。

2023年3月17日
立命館アジア太平洋大学
学長 出口 治明



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