立命館アジア太平洋大学

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学長ノート

卒業生へのメッセージ

2013/3/15

是永 駿 第3代学長

本日は、ここにめでたく、学部生アジア太平洋学部372名、国際経営学部262名、アジア太平洋マネジメント学部60名、大学院アジア太平洋研究科博士前期課程9名、経営管理研究科6名大学院アジア太平洋研究科博士後期課程10名、計719名が立命館アジア太平洋大学を巣立っていきます。皆さん、ご卒業おめでとうございます。本日でAPUの卒業生は10,000名を超えることとなりました。

さて、人間社会は、中世・近代を経た現代においてもさまざまな紛争・衝突が絶えませんでした。20世紀は、科学の飛躍的発達の世紀であるとともに、二度にわたる世界大戦という戦争の世紀でもありました。その戦争の惨禍のあとにやってきた21世紀は、戦争がもたらした廃墟のあとに築かれる平和と自由の世紀であるべきですが、まだ実現されていません。21世紀の紛争や衝突は戦争や暴力という手段ではなく、冷静かつタフな交渉による解決をめざすべきでしょう。15~17世紀の「大航海時代」になぞらえれば、いわば「大交渉時代」の到来です。

交渉の舞台で、ひとりの人間が相手と堂々と渡り合うその精神的土台はいかに培われるか。それは、まずひとりの人間として独立自尊の精神を持つことです。自らを信じることができれば、相手を敬う心のゆとりも生まれます。自らの価値観に立ち、お互いの考えを認めつつ、真理を究める。これは皆さんがこのAPUでの学生生活の中で日常的に行ってきたことに他なりません。昨年、日中韓の領土問題をテーマにAPU学生による討論番組がテレビで放送され、学生の冷静かつ建設的な討論が注目を集めました。その中でバングラデシュの学生の言葉が印象に残っています。「日中韓はバングラデシュから見れば先進国だ。ほかにやることがあるだろう」と。痛烈な意見で、目からウロコが落ちる思いでした。ほんとうに小さなことで争う愚かなことをやっているのであり、日々新しい局面を迎えるグローバル世界にあっては、ほかにやるべきことは山ほどあります。

これからの新しいアジアそして世界の未来を創るのは若い皆さんの力です。とりわけAPUで育った皆さんにはその中心的な存在として活躍してほしいと思います。第二次大戦終結からまもなく70年になろうとしていますが、東アジアは依然として対立の構図が続いています。この負の構図を未来志向のプラスの構図に変えるには、APUの異文化環境の中で鍛えられた皆さんの開かれた精神が大きな力となるでしょう。

昔、中世のヨーロッパで、宗教上の異端、正統をめぐって争いが絶えなかった時代に、「本当の黄金であればその上にどのような刻印が押されていようと、どこへ持って行こうと黄金に変わりはない」と言った方がいます。人間もそれと同じです。すぐれた実力と人間性をそなえていれば、人からどのように思われようと、どこへ行こうと、その人間はすぐれた存在なのです。皆さんがAPUで鍛えて身につけた実力はこの黄金のようなものです。どこへ出ようと誰と比べられようとその輝きは失われることはないでしょう。

APUで自ら鍛えてきたことに自信と誇りを持って、チャレンジ精神を胸に生きてください。APUに栄光あれ。皆さんの将来に栄光あれ。

2013年春学位授与式のニュース



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