学長ノート

卒業生へのメッセージ

2013/09/13

是永 駿 第3代学長

本日、めでたく卒業を迎えた、アジア太平洋学部170名、国際経営学部273名、大学院修士課程修了61名、博士課程修了6名、計510名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

皆さんは、このAPUという日本を代表する多文化共生キャンパス、80の国・地域から集った国際学生と日本人学生が、ともに学び、助け合い、励まし合うキャンパスで、自らの人生の道を切り拓いてきました。日常生活でのさまざまな誤解や衝突を乗り越え、クラスやサークルでの議論や活動を通じてお互いの理解を深めてきました。APUでの学生生活は、皆さんのこれからの長い人生の心の支えとなるでしょう。このAPUが皆さんの心の故郷(ふるさと)となるでしょう。このキャンパスから世界へと飛び立つ皆さんに、心からのお祝いと期待のメッセージを送りたいと思います。

現代社会は、IT革命とグローバリゼ-ションにより、世界の経済システムが大きく変容しました。資本は国境を越えて、世界的に、つまりグローバルに動いて利潤を生み、グローバル企業を産み出しています。「資本の利潤動機はナショナリズムに優先する」という見方もあります。しかし、その一方で、ナショナリズムは弱まるどころか、自国の利益を最優先に考え、独善的に行動する傾向はますます強まる傾向にあります。

私は、ほんとうのグローバル化とは、個人個人が、自分と他者との対話を通じて、ともに同じ地平に生きる人間として互いを尊敬し、認め合い、衝突や紛争を乗り越える普遍的な価値を獲得することだと思っています。それこそが真のグローバル精神なのです。そして、その精神はAPUが創立以来掲げてきた気高いミッションと共通しています。

この夏に復活したサザンオールスターズの新曲に「ピースとハイライト」という歌があります。お互いが自分の主張を振りかざす愚かさと狂気は20世紀で懲りたはずではないか、この地上に、希望の苗を植え、愛を育てよう、と呼びかけています。今の混沌とした世界に差し込む一筋の光のような歌です。APUのミッションとも共鳴するいい歌だと思います。「自由、平和、人間性」、このAPUのミッションもこの世界に差し込む一筋の光です。このミッションを胸にご活躍ください。そして心の故郷にいつでも帰って来て下さい。



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