学長ノート

新入生へのメッセージ

2013/09/20

是永 駿 第3代学長

立命館アジア太平洋大学へのご入学、おめでとうございます。 

この秋、ベトナム、中国、インドネシア、日本、ウズベキスタン、韓国、タイ、アメリカ合衆国、インド、台湾、バングラデシュ、モンゴル、ネパール、スリランカ、スウェーデン、デンマーク、ミャンマー、トンガ、キルギス、ノルウェー、フィリピン、シンガポール、アフガニスタン、ラオス、タジキスタン、イギリス、オーストラリア、オーストリア、カナダ、フィジー、ドイツ、マレーシア、メキシコ、パキスタン、ポルトガル、アラブ首長国連邦、ブータン、ボツワナ、フィンランド、フランス、ガーナ、イラン、イスラエル、イタリア、モロッコ、オランダ、ポーランド、スロベニア、スペイン、スイス、ウガンダから581名の新入生を迎え、現在APUに在籍する学生は、国際学生2,470名、国内学生3,125名、計5,595名となりました。

APUは、日本を代表する国際大学です。学生は世界85の国・地域から集まり、教員も50%が外国籍で、世界26の国・地域からやってきています。この多様性に満ちた多文化共生キャンパスが、グローバル人材の育成には欠くことのできない環境なのです。どこの国・地域からやってきても、APUのキャンパスは異文化環境であり、日々、異なる言語・文化出身の学生、教員と接触することになります。このキャンパスの共通語は英語と日本語です。英語はすでに世界語、世界の公用語の地位を確立しています。日本語は中国語、スペイン語、フランス語などとともに、非英語圏の国のなかでは長い歴史と文化を持つ有力な言語です。APUは日本にある国際大学であり、国際学生もその6割近くは卒業後、日本の企業に就職しますし、日本の大学院に進学する学生も少なくありません。そこで、APUは日本語を徹底的に学ぶカリキュラムを組んでいます。皆さんのほとんどは英語基準で入学しましたから、日本語をしっかり学んでください。

APUは、経営学、社会学、国際関係学などの社会科学に特化したリベラルアーツ大学であり、教員、職員ともにアジア太平洋地域をリードする国際大学としてのプライドを持って働いています。皆さんはこのAPUで、激動する世界を理論的にも実践的にも解き明かす学問、知的な武器としての学問を身につけることができます。卒業生の多くは一部上場企業など日本経済の中核となる会社に就職し、また大学院進学は、APUの大学院のほかに、国内では、東大、京大、阪大、早稲田、慶応、一橋大など、海外では、イェール大、スタンフォード大、マンチェスター大、香港大などに進学しています。皆さんが就職するにしろ、大学院に進学するにしろ、このAPUは理想的なプラットフォームなのです。

混沌とした現代社会に生きる我々に求められているのは、国際的センスと広い意味でのマネジメント、そしてそうした意識の根幹にある人間性への信念です。第二次大戦の終結から68年が経過しましたが、東アジアは平和共存、相互理解とは程遠い対立の構図が続いています。この対立の構図を和解と共存の構図へと変えるには、お互いが真実と思うエビデンスを提示しあい、対話、交渉を通して合意点を見出すという方法をとるべきでしょう。APUは、すぐれた多文化環境のもとで、アジア太平洋地域の相互理解と未来創造をミッションに掲げる大学ですから、ある意味では、この地域の平和共存、相互理解のために存在しているとも言えます。マネジメントがテクノロジーであるとともにヒューマニティーをも形成することは、ピーター・F・ドラッカーが、「社会的機能とリベラルアーツとしてのマネジメント」のなかで、「マネジメントは人々を、人々の価値や成長、発達をも扱い、それが人間性をかたちづくる」と述べています。



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