出口 治明
立命館アジア大平洋大学長 / 立命館副総長
2000年に開学した立命館アジア太平洋大学(APU)は、2020年、開学20周年を迎えました。APUは、APUは開学以来156の国・地域から学生を受け入れており、これまで20,000名を超える卒業生が国内外の第一線で活躍しています。海外の同窓会組織も37まで増えました。私たちは「APU2030ビジョン」を掲げ、「世界を変える人」を世界へ送り出すべく、今後も、競争力の高い教育研究の展開など、APUの「第2の開学」にふさわしい取り組みを進めていく所存です。
APUでは、2021年度から10年間にわたる中長期計画「APU2030チャレンジ・デザイン」を策定しました。その具体化の1つとして、2023年、持続可能な観光と開発をテーマとする「サステイナビリティ観光学部(設置構想中)」の開設を予定しています。これにより、国際経営学部、アジア太平洋学部の3つの学部、アジア太平洋研究科、経営管理研究科の2つの大学院を擁する大学へと発展を遂げようとしています。
「APU2030チャレンジ・デザイン」では、社会・地域に貢献する国際通用性のある研究推進、国際的研究ネットワークの形成、世界と日本の地域社会の成長・発展に貢献できる、民官学の新たな地域発展モデルづくりなど、APUだからこそできる大学の姿を創りあげ、実践していきたいと考えています。
いま、世界では新型コロナウィルス感染症に加えて、多くの混乱や紛争が起こっています。APUでは、習慣や考え方の違いからおこる衝突が日常的にあります。しかし、その衝突から学生は学び、より良いコミュニティを作るようになります。私たちはこの学びの積み重ねが、世界をより平和で幸せな方向にむかわせる大きな力になると信じています。
APUがこれからも、いろいろなことにチャレンジするためには在学生・卒業生、保護者や地域の方々、そしてご寄付を頂戴している国内外のAPUファンの皆さまと、教職員が一緒になった「One APU」の視点が不可欠です。「小さな地球」であり「若者の国連」であるAPUに、今後も皆さまの温かいご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げます。